somaは”生きている身体”
somatics”ソマティクス”は、somatic”ソマティック”の複数形sがついたギリシャ語。
somaticsのsoma”ソマ”は身体という意味。
目に見える物体、肉体だけの”カラダ”ではなく、心という見えない部分、魂をも含んだ”生きている身体”のことです。
死体ではないsoma”生きている身体”には、意識や感覚や感情が備わっていて、それらは常に流れがあり変化しています。
自分だけにしかわからないsoma”身体”に気づきを向けていくsomaticsエクササイズは、筋肉の緊張をムリなく緩めていき、本来の柔軟な筋肉を取り戻していく誰もが簡単にできるメソッドになっています。
エクササイズを考案したのは、ヒッピーが盛んな70年代、アメリカの心理学博士でヨガ講師でもあったトーマス・ハンナ氏。
ソマティクスという言葉を、この世界ではじめて使ったのがハンナ氏。
身体心理療法全般を意味するソマティクスは、心理療法と身体療法の2つに分けられ、彼のsomaticsエクササイズは後方の身体療法になります。
心理療法と身体療法
心理療法と身体療法の2つに分けられるsomaticsそれぞれの違い?
心理療法は、精神面に直接働きかける方法。
・ソマティック・サイコテラピー
・センサリー・アウェアネス
・ハコミセラピー
・ソマティック・エクスペリエンス
身体療法は、ボディを介して精神面に働きかける方法。
・アレクサンダー・テクニーク
・フェルデンクライス・メソッド
・ハンナ・ソマティクス
・ソマティクス・エクササイズ
*身体療法はソマティック・エデュケーションとも呼ばれます。
ソマティック・エデュケーションとは?
身体療法”ソマティック・エデュケーションは、身体感覚の気づきに意識を向けながらゆっくり動いていく技法です。
ゆっくり動くことが大切。
スローモーションで動くことから、その動きから得る身体感覚に気づいていくのがソマティック・エデュケーションです。
私たちの多くは、普段まったく意識しないで身体を動かせています。
怪我をしたり、病気になったときに、身体の重さや機能に気づかされる経験が誰もがあると思います。
この無意識に動いている部分に、少し意識を向けて動いてみましょう。
例えば、肩をスローモーションで上にあげた時、何か感じるものはありますか?
・つまってる感覚があるかもしれない・・・
・少ししか上がらないかもしれない・・・
・耳の近くまで上がるかもしれない・・・
・痛みを感じるかもしれない・・・
・柔軟に動いてるかもしれない・・・
・心地いいかもしれない・・・
・なんにも感じないかもしれない・・・
同じように今度は、ゆっくりと肩を下に戻した時の感覚はどうでしょう?
・動きが滑らかじゃないかもしれない・・・
・痛みを伴うかもしれない・・・
・呼吸が止まってるのに気づくかもしれない・・・
・スムーズに心地よく動くかもしれない・・・
・肩の力がすっかり抜けた感覚があるかもしれない・・・
・肩または腕全体の重みを感じられるかもしれない・・・
・肩がリラックスした感覚があるかもしれない・・・
上記のように、人によって受けとる感覚は違います。
この自分だけにしかわからない感覚に気づいていくのが、ソマティック・エデュケーションです。
エデュケーションは教育の意味です。
つまり、ソマティック・エデュケーションは、治療の領域ではなく動くことによって感じられる感覚を教育していける技法なのです。
今まで意識を向けていなかった部分に意識を向けていくことで、脳が変わります。
眠っていた脳の運動野と感覚野の部分を、自分の意思でコントロールしていけるようになる、脳の再教育がソマティック・エデュケーションの目的です。
治療ではない教育するソマティック・エデュケーション
自分にしかわからない身体感覚。
心もメンタルの部分も、自分しかわからないですよね?
ヨガでいうところのインストラクターは施術者であり、エデュケーターと呼ばれます。
エデュケーターの声のガイドを聴きながら、クライアント”施術を受ける人”は、自分の身体を感じながら、または気づきながら動いていき、自分の意思で身体をコントロールできるようになるセルフヒーリング法です。
身体のどの部分が緊張しているのか、硬直しているのか、痛みを伴っているのか、意識を向けていくことで気づきが得られる。
”今”の自分に気づけるようになり、収縮でつまってしまい慢性化している腰痛や肩こりを、自分で解せるようになる。
無理したり頑張りは禁物なソマティック・エデュケーション。
ゆったりとゆっくりと、今の自分の動かせる範囲内で身体を動かしていく、やさしい心地よいエクササイズで自己調節し維持しく素晴らしいテクニックです。